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座卓部・新館 -tatami-room round table club-

ヘビの脱皮周りについて小話・その1 




■2017/0101






せっかくの正月だ、お年玉的意味合いで少し書いておこうか。

これは某所でコメントさせてもらった話なのだが、
内容を追記して改めてこちらに記載しておこうか。





脱皮不全や脱皮後の死因についてだけど、
脱皮不全はその剥離液の減少と、
その減少による脱ぐ皮と体表との癒着がその原因なのだが、
そうなる理由として、
ヘビの通常稼働時の体液量や血液量が減っていることが剥離液の分泌量低下の原因だ。


あの剥離液は単純な水分ではなく体液であり、
脱皮時にはそれなりの量が分泌→揮発→分泌を繰り返す。

脱皮モード中は体表に体液量が回され、生理的要因で強制的に代謝や内臓稼働量が低下する。
内臓に使われている分の体液も、脱皮時には剥離液の分泌に回される。

脱皮モード中に顔に水をかけると普段より飲むのはそういうこと。
内臓の体液・水分量が体表に回るせいで減っているからだ。


脱皮時にエサを食わなくなったり、消化力が弱くなったり、
全体的な活性値が鈍くなるのは体液量が外部に回され、内臓が一時的に生理的な低代謝状態になるからだ。

個体の状態によっては、胃や腸の消化液なども分泌量がかなり減少する。

同時に皮の剥離自体にもかなり体の機能が回されているため、それも低代謝の理由になるのだろう。

おそらくヘビの感覚としては、
人に例えれば脱皮中は低血圧・低血糖状態みたいにだるくて眠い状態なのだと思う。




そしてWD個体によくある脱皮後に死んだりするパターンだけども、
脱皮により急激に体液や血液の量が減少することが原因だと思われる。


上でも書いたが脱皮モード中は体表に体液量が回され、生理的要因で強制的に代謝や内臓稼働量が低下する。
脱皮モード中は内臓などの体液・水分量が減る都合で、
生体機能としてそれが負荷になりづらいように内臓などの稼働量や代謝量そのものをあえて低下させる。
その間は体内・内臓の要求体液量・循環量も必然と減る。
脱皮後、通常状態に戻った際に内臓の体液要求量・循環量も戻る。

問題はここなわけだ。

導入時の衰弱・飼育下負荷等の蓄積により内臓の体液量などが少ない場合、脱皮中に体液を消耗し、
脱皮モードの低代謝状態が解除された後、その消費された体液量はその分、体や内臓の負荷になる。


要は脱皮後に急に内臓が体液が減った状態で動かされることになり、
突発的な臓器不全が発生したり、内臓の機能低下にとどめを刺す形になったり、
ある種のショック症状が出たりする。
おそらくはこれがWD個体に発生する、脱皮後の突発死の要因だろう。




脱皮直後の抜け殻の重さを計ってみるといい。
そしてそれをしっかり乾燥させ、その乾燥した抜け殻の重さを改めて計ればわかるが、
その重量差が消費した体液量だ。

とはいえ剥離液の分泌量が低下した個体の皮を計っても正確な数字ではないので注意。
その場合、あまり分泌されていないじゃないかという認識になるからな。

しかし実際は白濁中に体表から揮発していく分が加算される。
だが体表から揮発していくのは水分のみのため、ミスティングと摂水により補完が可能だ。

外部からの供給で補完されない場合、体内や皮下に保水している水分を利用して調整する。

だが余剰水分が無い場合は剥離液の分泌量を減らし、体内の維持を優先する。

が、そうなると血液濃度が上がり、脱皮後はその濃度状態のまま通常稼働に戻る。
その場合基礎的な体液量や保水量が少ない場合は、その濃度上昇や後処理も負荷になってしまうわけだ。

また、基礎体液量が少ない状態の個体は、
脱皮後の消耗分を飼育者が補完するためのアプローチをしない場合は、
復旧まで体液・水分量が減ったまま過ごすことになり、暫く負荷が継続する場合がある。
下手をすると脱皮毎に体液の絶対量が減っていき、繰り返すうちに死ぬパターンもある。

同時にそれが常習化している場合は体のあらゆる機能力を低下させていき、
負荷のある状況で生きることを前提にした体質を発展させながら育っていくことすらある。

故に脱皮というのは状態によってはコンディション低下を進行させてしまうものにもなる。


コーンスネークなどもその辺りのコンディションがしっかり成立していると、脱皮直後は体表に可也水分が残る。
そして脱皮開始後も皮の剥離に何の負担も掛からずに30秒~1分程で脱ぐ。

剥離液が少いと脱ぐ時に鱗に張り付いていて、皮膚や鱗が引っ張られていく感じで皮が剥がれていくんだけど、
剥離液が多いと剥がれる際の抵抗感がほとんど無くなる。



まぁ脱皮のために剥離液として分泌される体液は、
通常の細胞間液等よりは成分濃度は薄いだろうが。
そうすれば脱皮後の体液量の復旧が水分摂取によりスムーズに行われやすいだろうからな。



当然これらはある程度コンディションが上がり、
体液量・保水量などが増えていれば問題になることは無い。
が、飼育下負荷・輸入時、または輸入されるまでに脱水と絶食で肉や体液が減り、
ギリギリで生きているような状態だと上記を引き起こしやすくなる。

かといってギリギリで生きてる個体に急激に摂水や水漬けで水分を補給した場合、
自発脱水なども引き起こして今度はそれが死因になったりする場合もあるから、
わかっていても一定以上状態の低下した個体を復旧させるのは、
どうにも難しいものがある。


その都合でそういう個体には体液や血液を創らせるために、
ゆっくりと造血成分や水分を体に保定させるような調整をすることになるのだけど、
かなりの微調整が要求されるのでうまくいかないことは多い。


たった1日の調整ミスでダメになる場合もある。

その1日は理解量が少なければ気づくことは終生無い。
だが理解量が増えれば何がダメだったかがわかってしまう。


ヘビの飼育は ( CB・WD含め )、ことさらWD個体なんかは本当に落とし穴しかない。
その都合で少しでも理解しなければ良いコンディションの構築も出来ないし、
下手物相手では結果など出せはしない。

こういう部分も理解しておいて損は無い。

なんともならないことはあるけども、各々よく理解し、本気で攻略を願う人間は諦めずに挑むように。







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2017/01/01 Sun. 18:19 | trackback: -- | comment: 0edit

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