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座卓部・新館 -tatami-room round table club-

珍しい死因 




■2015/1115





サウザンブラックレーサー 
Coluber constrictor priapus

2015_11040006.jpg
この子はWDの子。
時間経過と共に仕上がるのはいいがバタつく時の馬力も増えるので、
ちょっとした事で驚く子だからケースの壁面やフタに鼻先をぶつけて、最近よくこんなふうに赤くなってる。

数日経過すれば不思議と黒く戻ってるのだけど、このバタつく気性はなんとかならんものか。






さて、この1週間の内にこんな事態が発生した。
メキシコサウザンブラックレーサー・CHなのだが、悔やまれるが1頭落としてしまった。

死因なのだが表面的に発生したのは『脱腸』だ。
夜に帰宅後、ケース内を覗いた時に体表の質感が変わっていたので見てみたら、
15mm四方程の体積で腸が体外に飛び出していた。
そして腹板下部がごっそりと凹んでいた。

取敢えず体内に腸を戻すことは出来たが、衰弱が早く翌朝には落ちていた。
原因は何かと考えたがどうにも理由が見当たらない。
脱腸は現象的にはコンディションとは些か掛け離れた場所にある問題で、
ましてやヘビの場合は内臓の構造上、他の生き物より脱腸は発生しづらいはずだ。

しかし死体の腹板を指でなぞって内臓の感触とかを見てみたら塊があった。
位置的に胃の下部辺り。
サイズ的にみて、前日に提供したヒナウズラだ。
この種の場合、食後1日経過して殆ど形を残しているということは有り得ないので、
何らかの理由で飲み込んだものが胃で止まっていたと考えられる。

飲み込んだものに問題があったのなら吐けばいい話だが、それもしていなかった。
同時に糞がなかったので排泄をしようとして発生したものではないだろう。

仮定にもなっていない想定ではあるが胃や腸が体内のヒナウズラを出そうとして、
本来必要の無いレベルで過度に内臓圧を上げたのだと思われる。
その結果、腸の排出をした可能性がある。
そしてその状態にまでなって出そうとしていて、吐けもせず、腸に送り込めもしない状態とだったいうことは、
おそらくは飲み込んだものを中心にした『胃捻転』とかそういった類のものが想定される。


ヘビの脱腸はカエルの脱腸のように中に戻せばさほど問題無く生きていたり、
トカゲのように手術まで余裕があるというものではないようだ。
昆虫の脱肛や脱腸のように発生したらどうにもならないパターンの可能性がある。
当然、発生理由にもよるだろうが他所で発生したデータすら見つからない。
おそらくヘビの死因としてはかなり珍しいケースと思われる。

死体の腹を捌いて内臓の状態を確認すればまた何かわかったかもしれないが、
愛着のある子だったのでそれはする気にならなかった。
まず発生するものではないと思うが一応こういう死因もあるという記載はしておこうと思う。





しかし今年はモンペリエスネークの件といい、この件といい悔やまれる事象が多いな。

他にもある種のWD個体を導入して飼育していたが、『治らない皮膚病』にも遭遇した。
野外で既に保有していた病気と思われるが終ぞ治せなかった上に、挙句二次被害まで出てる始末。
この皮膚病は該当種と転移対象の隔離が必要なほどのものなので、これに関してはまたいつか別に書こうかと思う。
この皮膚病は該当種をはじめ、極一部の種にしか野外では発生しないものだと思う。
おそらく治す方法はあろうが、今回は処理しきれなかった。

モンペリエの件はコンディション領域なのでなんとかなる範囲だが、
この脱腸の件に関しては人間が対応可能な範疇は超えているだろう。


出来れば今後、こういった案件には遭遇したくないものだ。





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2015/11/15 Sun. 13:13 | trackback: -- | comment: 0edit

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